プログラミング教育が必修になって先生方に期待すること

2020年度から義務教育全般でプログラミング教育が必修になったことに伴い、この記事では、小中学校、特に小学校の先生方に、プログラミング教育を行うためのプログラミングの自己学習の方法などについて提案してみました。

[目次]
1.現状の分析
2.教えるための知識と技術の習得方法
3.まとめ

1.現状の分析

2020年度から義務教育全般でプログラミング教育が必修になりました。

小中学校でのプログラミング教育を誰がどのように対応するかについて、民間の企業に委託したり、支援員を雇って対応する自治体もあるようですが、それでも、校内で一人の先生もプログラミング教育を担当できないという状態を良しとする学校はないと想像します。
そして、子供たちが、学校でプログラミングを教わる人として期待するのも、外部の大人ではなく、自分たちの学校の先生方ではないかと思います。

一方、小学校において、英語教育やプログラミング教育が必須となったことは、特に今の学校教育を中心となって支えている世代の先生方にとっては、ものすごく大きな変化だったであろうと想像します。
その世代の先生方が、教育について学んだ学生時代には、小学生に英語を教える方法も、プログラミングを教える方法も学ばなかったと思います。
英語は、ご自身が中学生になったときから、少なくとも、大学を卒業するまでは、学校で教えてもらう側ではありました。
それでも、ご自身が小学生のときに、学校で教えてもらっていないので、小学校で英語を教えることは、やはり、未知の世界のことになります。
そして、言うに及ばず、プログラミングについては、もっと未知の世界のことなのではないでしょうか。
プログラミング教育必修化の話が出るまで、その世代の先生方の中では、プログラミング経験がなかった先生の方が圧倒的に多かったのではないかと思います。

その世代の先生方にプログラミングの経験者が少ないという仮定が正しいとすれば、大半の先生ご自身がプログラミングを習得するところから、始める必要がある/あったということになります。
先生方にとっては、プログラミング教育は、たくさんある仕事の項目の中の小さな小さな一つなのに、です。
それでも、厳しいようですが、プログラミングを教える経験者として言えることは、”プログラミングを教えるための準備に、近道はない” です。

2.教えるための知識と技術の習得方法

教えるために必要な知識と技術は、まず、本を読み、次に、自分でいくつものプログラムを作って実行していく中で得るものです。
プログラムを作れば作るほど、知識と技術は手に入ります。
プログラムを作る作業の途中でエラーを起こしたときは、チャンスです。
そのエラーをつぶしたくて、調べたり、試行錯誤した過程から結論までのすべては、後々の財産になります。
大体、人は、同じような間違いを犯すものなので、自分が出したエラーからの回復方法は、その後誰かに教えるときや、質問されたときに、とても役に立つ知識になります。

本の通りに作ったつもりのプログラムが、よく見ると本とはどこか違う見え方をしている場合が結構あります。
それは、違うバージョンを使っていたり、スタートの位置がそもそもずれていたり(その場合は、スタートの位置をどうすれば調整できるかを調べます)、前の状態が消えずに残っていたり(その場合は、初期化を毎回するにはどうすればいいかを調べます)しているからです。
見た目が違っても、全く問題のない状態の場合もあります。
違う見え方の原因を調べて確認できれば、それはまた、1つの知識になります。

また、同じ本のある部分を二度目に演習しようとしたとき、一度目の演習で変えてしまった環境などの状態を戻すことが必要になったりします。
このようなときに、ちゃんと調べて元に戻せるようになっておくことが大事です。
今回要求されている”戻す”が、二度目の実行の初期化で戻すことなのか、二度目の実行の前に別の方法を使って戻しておく必要のあることなのかも見極めて、戻し方を探します。
こういう知識は、この先、頻繁に役に立つ知識となります。

実際の授業で、子供たちは、ちょっとした瞬間に、目についたボタンを押したり、いろいろなことをやりがちです。
子供が「元に戻して、みんなと同じ画面から続きをしたい」と言ったときに、対応してあげられるようになることを目指してください。

プログラミングを教えるときに必要な知識というのは、今回教えようと思っている部分についての知識だけではなく、それを教えようと思って子供たちが操作を始めたときに見たり触ったりする可能性のあるすべての部分について、どう触ったとしても、少なくとも、今のストーリー上の一場面にまでは、戻せる知識と技術が必要です。

ちなみに、アルゴリズムやプログラミングの技法そのものについては、その回の授業内容をきちんと把握して関連する事項を確認しておけば、その部分の質疑応答には対応できると思います。

3.まとめ

ここでお話した方法は、一見面倒くさそうですが、やっていくうちに、きっと、楽しくなります。
私は、自分が思った通りの操作ができるようになると、うれしくなります。
どこかで読んだ話ですが、人間は、何かをコントロールできるようになると、うれしくなるものらしいです。

どのプログラミング言語でも、いろいろな情報がインターネット上にたくさんあります。
調べれば、何かしらの情報を見つけられます。
時間はかかりますが、お金をかけずに調べることは、今の時代には、充分可能です。

最後に、以下も、よろしければ、ご参考になさってください。

<IT企画研究所のInstagram>
micro:bitのプログラム例とその実行例を1分ほどの動画でご覧いただけます。
 https://www.instagram.com/howisitjp/

<IT企画研究所のYouTubeチャンネル➀・・・IT企画研究所 IT部 チャンネル>
Googleのサービスの利用方法を中心とした動画がご覧いただけます。
 チャンネルページはこちら:https://www.howisit.jp/yti/c
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<IT企画研究所のYouTubeチャンネル➁・・・Yukari Nishimura チャンネル>
Scratchの文法を中心とした動画がご覧いただけます。
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