そろばんの各部名称と用語「御破算」「願いましては」「御明算」など

そろばんの各部名称と、そろばんの基本的な用語を説明します。

【目次】
1.そろばんの各部名称
1.1.枠と桁
1.2.梁(はり)
1.3.5だまと1だま
1.4.定位点
2.そろばんの用語
2.1.御破算
2.2.置く、入れる
2.3.取る、はらう
2.4.はじく
2.5.「(御破算で)願いましては」
2.6.「用意、始め!」

1.そろばんの各部名称

まず、そろばんの各部名称を説明します。
名称を説明する理由は、そろばんの操作方法を説明するときに、各部を指し示す必要があるためです。

1.1.枠と桁


枠(わく)

そろばんの周りを囲うものを枠と言います。
右手でそろばんの珠(たま)を操作する人(右利きの人)は、左側の枠を左手で握って、そろばんを支えます。


桁(けた)

各列を、桁と言います。
そろばんの1つの桁では、ある桁の数値を表します。

1.2.梁(はり)

各桁のそろばんの珠(たま)を、上下に分けている横棒(上の部分の珠が1つ、下の部分の珠が4つ)を、梁(はり)と言います。

1.3.5だまと1だま


5だま

梁の上にある珠を、5だまと言います。
5だまは、梁にくっついているとき、その桁の5の値を持ちます。
5だまが、梁にくっついていないとき、「(その桁の)5だまは使われていない」と言うことがあります。
5だまの上げ下ろしは、基本的に人差し指で行います。

1だま

梁の下にある珠を、1だまと言います。
梁にくっついている1だま1つで、その桁の1の値を意味します。

例えば、その桁の3つの1だまがつながって梁にくっついているとき、梁の下の部分はその桁の3の値を意味し、このとき、梁にくっついていない1番下の1だま1つを「使われていない1だま」と言うことがあります。

そろばんでは、梁に直接的、または、間接的にくっついている珠の値の合計が、その桁の値になります。
例えば、ある桁の、5だまと1だま2つが梁にくっついている場合、その桁の数値は7です。

基本的に、1だまを梁にくっつけるときは、親指で行います。
1だまを梁から離すときは、人差し指のはらで下ろして離す方法と、親指の爪で下ろして離す方法の2つがあります。

後者は、5だまも同時に離すとき(すなわち、6や7や8や9を取るとき)に使われる方法で、1だまだけを梁から離す場合は、通常、前者の人差し指のはらで下ろして離す方法を使います。

1.4.定位点


定位点

梁の上にある、3桁置きにある黒い点は、定位点と言います。
定位点は、1の位か、カンマのある桁を意味します。
1の位の桁の位置は、そのときどきで、好きな定位点の1つをあてます。

2.そろばんの用語

そろばんは、中国から日本に伝わり、少なくとも15世紀初頭には日本で使われていたそうです。
1570年代、倭寇(日本の海賊)に悩まされていた中国が、日本と日本人を知るための研究をしたためた書物に、日本のそろばんについての記述があるそうです。

参考資料:

http://www.shuzan.jp/gakushu/history/05.html

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%9D%E3%82%8D%E3%81%B0%E3%82%93#%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%A7%E3%81%AE%E7%99%BA%E5%B1%95

このように、そろばんは古くからあるものなので、そろばんで使われる用語は純和風で、かつ、独特の使い方をします。

2.1.御破算

御破算は、発音としては、「GOWASAN」・・・「ごわさん」です。
でも、送り仮名は、「ごはさん」であり、コンピューターやスマホなどで漢字変換を行うために入力するための仮名は、「ごはさん」とする必要があります。

御破算とは、そろばんの盤面をゼロクリアする操作のことです。
具体的に、御破算とは、すべての5だまと1だまが、梁から離れている状態を作ることです。

御破算は、次の3ステップで行います。
(1)左手で、そろばんを手前に傾け、すべての5だまを梁に付け、すべての1だまを梁から離します。
(2)そろばんを机上に置くことで水平にします。
(3)そろばんの左端の5だまの下、かつ、梁の上に右手の人差し指を差し込み、人差し指を右端の5だまの下まで滑らせて、人差し指の爪側で、すべての5だまを梁から離します。

以下は、御破算を説明している、IT企画研究所のYouTube動画です。
ご参考まで。

2.2.置く、入れる

置く

そろばんで(数字や数値を)「置く」と言ったら、それは、ほとんどの場合、数値をセットするという意味で使わます。

「置く」は「足す」と非常にニュアンスが近く、たまに、「足す」という意味でも使われることもありますが、多くの場合、その手前に言った数字や数値を表すのに使用する5だまと1だまを、そのままその桁の現在の横棒にくっついていない珠から持ってきてくっつけることを意味します。

例えば、足し算の2+7を行うときの、足される数(2の方)を、最初にそろばん上に表すときの操作を、「2を置く」と言います。

そろばん上の2(1だまが2個だけ横棒についている状態)に7を足す場合、そろばん上で桁を超えた繰り上がりなどが発生せず、そのまま7を意味する5だまと1だま2つ(すなわち、現在横棒にくっついていない5だまと1だまで7を作れるので、その7)を追加することで7が足せるので、2に対して7を足すときの言い方は、「さらにそこに7を置く」とも言えるし、ただ単に「そこに7を足す」と言うこともできます。

入れる

「入れる」という表現は、足すという意味で使われることがほとんどではないかと思います。
が、たまに、「入れる」の意味が、「置く」と同じ意味で使用されることもあります。

2.3.取る、はらう

取る

そろばんで(数字や数値を)「取る」と言うとき、多くの場合、梁から珠を離すという意味になります。

「取る」は「引く」と非常にニュアンスが近く、たまに、「引く」という意味でも使われることもありますが、多くの場合、その手前に言った数字や数値を表す5だまと1だまの組み合わせを、そのままその桁の現在の横棒にくっついている珠から外すことを意味します。

例えば、引き算の 9-7を行うときの、そろばん上の9から7を引く操作を、「7を取る」と言います。

そろばん上の9(5だまと1だまが4つが横棒についている状態)から7を引く場合、そろばん上で桁を超えた繰り下がりなどが発生せず、そのまま7を意味する5だまと1だま2つ(すなわち、現在横棒にくっついている5だまと1だまで7を作れるので、その7)を取り除くことで7が引けるので、9から7を引くときの言い方は、「そこから7を取る」とも言えるし、ただ単に「そこから7を引く」と言うこともできます。

はらう

「はらう」という表現は、取るという意味で使われることがほとんどではないかと思います。

2.4.はじく

そろばんの珠を上げたり下げたりする操作全般のことを「はじく」と言います。

2.5.「(御破算で)願いましては」

「(御破算で)願いましては」は、読み上げ算や読み上げ暗算で使われる言葉です。
読み上げ算や読み上げ暗算とは、そろばんの種目のことです。

そろばんには、いろいろな種目があります。
紙に書かれた計算問題を解く種目には、足し算引き算を行う種目である見取り算、掛け算を行う種目である乗算、割り算を行う種目である除算、伝票をめくってその1枚1枚に書かれた数値を足し算引き算する伝票算、文章題を解く応用問題、その他にも、平方根を求める開方(かいほう)、立方根をも求める開立(かいりゅう)などの種目もあります。

これらの種目は、次の問題に移るときに、自分のタイミングで御破算を行って、そろばんの盤面をゼロクリアしながら、次々に問題を解いていきます。

一方、先生が読み上げる数値を耳で聞きながら足し算引き算を行う種目もあります。
これは読み上げ算と言い、この読み上げ算のとき、読み上げる先生が各問題を読み上げる出だしに言う言葉が、「(御破算で)願いましては」です。
これは、「次の読み上げ算の問題を読み始めるよ」という意味です。

読み上げ暗算という種目もあります。
読んで字のごとく、読み上げられた数値の足し引きを、暗算(そろばんを使わない計算)で、行う種目です。
読み上げ暗算の出だしも「願いましては」です。

ちなみに、123+345-201は、次のように読まれます。
「(御破算で)願いましては、123円なり、345円なり、引いては、201円、では」。

読み上げ算や、読み上げ暗算の最後は、「では」です。

2.6.「御明算」

「御明算(ごめいさん)」とは、誰かの計算結果が正解だったとき、それに対して言う言葉です。

通常、読み上げ算や読み上げ暗算の答えを口頭で発表した生徒に対して、その答えが合っていたときに、そろばんの先生がその生徒に言う言葉です。

2.7.「用意、始め!」

そろばんの各種目には、級や段位、競技会などによって、それぞれ異なる計算の内容(桁数、口数、など)や難易度、問題数、制限時間、満点、合格点などの規定があります。

そろばん塾の各生徒が、塾で行う一般的なお稽古日の練習メニューは、全員で読み上げ算や読み上げ暗算などのウォーミングアップを行った後、それぞれ次に目指す級や段位、参加予定の競技会の各種目の練習を行います。

通常、目指す級や段位、競技会の模擬問題集や模擬プリントを使って、制限時間内に各種目で合格点や目標点を目指して、時間を計りながら、1回分をはじきます。

そのため、そろばんの先生は教室の中で、常にストップウォッチをいくつか持ち、数名ごとのグループに対して、まとめて時間の計測を行います。
「用意、始め!」という掛け声は、先生からある生徒のグループへの、「これから時間を計り始めますよ」という、合図です。
これは、練習の時だけではなく、検定試験や競技会でも使われる掛け声です。

また、制限時間が来たことを知らせる合図は、「止め!」や「はい、止め!」です。
これも、練習の時だけではなく、検定試験や競技会でも使われる掛け声です。

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